人物編

鈴木庭苑 鈴木貴博(すずきたかひろ)

2021.11.13

■名称 鈴木庭苑 鈴木貴博(すずきたかひろ)

■生息地 植物のある場所ならどこでも

■好物 マニアックな植物

■特徴 止まらぬ、植物に向けられる愛と探究心。世田谷区を拠点に造園業を営む。

2021年10月のベジバルーンでは、東京産の銀杏をお届けしました。お客様からも好評の声をいただいたこの銀杏は、世田谷区を拠点に造園業を営む鈴木貴博さんから分けていただいたものです。

「銀杏は栄養価も高く、肺を潤し咳を鎮める効果の高い自然からの素晴らしい贈り物です。ところが独特な匂いから嫌われ、造園業者が回収する場合が多いのが現状です。今回の銀杏は都内の緑地帯で採れたもの。そのままでは焼却処分になってしまうのですが、それは本当にもったいない。ぜひ、皆さんに価値を知っていただきたいと思いました」と鈴木さん。

銀杏の洗浄作業は手間のかかるものですが、鈴木さん自ら丁寧に洗い上げて下さいました。

植物や昆虫が大好きだったという鈴木さんは、通学路で見る植物は図鑑で調べて名前や特徴を覚えるような子供でした。植物と関わる仕事がしたいという気持ちから農業高校に進学。卒業後は都内の造園会社に就職し、6年勤めたのち、20代の若さで独立しました。

以後、個人邸の庭づくりをメインに活動していますが、10年程前から少しずつ町の空き地や使わない畑、公園、寺社仏閣の敷地、国立病院の庭、集合住宅の共用部など、多くの目に触れる公共的な土地への興味が高まってきたといいます。

「個人邸の仕事では、植える木を自然樹形に近づけられるようはじめに位置を考えること、植物の個性や生育環境を活かすことを大切にしてきました。それももちろん面白いのですが、相続税で庭そのものが無くなる場合や、庭を維持するための経済的負担や庭の考え方の変化で継続が途絶えてしまうケースもあります。一方、公共の土地であれば相続税も土地費用負担も無いので多様な植物をのびのび植える場所としては最適だろうと考えています。」

公共の土地に関わることで、まちづくりにおける造園業の役割についても深く考えるようになったと鈴木さん。

「荒れた土地を生きた場所に変えることができるのが、造園業だと思います。庭を街のパワースポットにできる、って本気で思って仕事をしています。」

植物に向けられる愛と探究心。

「庭の焚き火で銀杏を焼いてみましたよ」「お寺の境内で採れたお茶の葉でほうじ茶を作ってみたんです」、「ヤギ牧場にある放置梅林の梅で、梅干しを作りました」などなど、鈴木さんからは写真とともに様々な近況報告をいただきます。

造園の仕事の枠にとどまらず、自ら手を動かし”実験”と”実践”を繰り返す鈴木さん。そのフットワークの軽さと深い知識は感動ものです。

  

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